検査結果
検査の結果を聞きに、また病院へ。
さすがに不安な気持ちだった。
例の如くだいぶ待って、診察室へ。
医師はにこやかに迎えてくれた。
結果はね、白だったんだよ。
……
でもね、この初見で僕の経験では白とは思えないんだよね。
……グレーですか?
私の声は小さくかすれて、医師には聞き取れなかったらしく、
グレーにしたい訳じゃないよ。
と、笑った。
こんな場面で笑顔を見せる医師。だけど、何故だかイヤな気持ちにはならなかった。この先生、とても良い方なんじゃないかな。
そして、提案されたのは、マンモトーム生検。
マンモグラフィーの撮影状態で針生検をするもの。当時はこの検査が出来る病院が少なく、この病院では予約がだいぶ先になってしまう為、別の病院、(Bとします)でやることになった。
病院を出るともう夕方だった。
夕方の空を見上げたら、張り詰めていた気持ちがゆるんだのか、涙が滲んだ。
私、死んじゃうのかな。
あの日に、死というものが、それまでとは違うものになりました。遠いものではなく、自分のすぐそこにあるもの。
結果、私は、10年後の今も生きていますが、この時の気持ちは忘れられないものです。
もっと深刻な状況の方々もたくさんいらっしゃると思うので、この程度で大袈裟な…と叱られてしまうかもしれませんが、どうかお許しください。
当時の気持ちの中で覚えていることはそのまま記しておきたいのです。